「やあ、イルフィア騎士団へようこそ。私がこの騎士団の長、すなわちマスターのマナ・レ・フィアという者だ。よろしくね。」

「一人前になるため君達にはさまざまな事を学んでもらうわけだけど、学び方は主に3つ。」

「1つは師匠から教わること、2つは自分で学ぶこと、そして3つ目が今みたいに学級で集まって教わること。」

「これは君達だけでなくそれぞれの師匠も心得ておくべきことだけど、学級では最低限必要なことしか教えない。学級でやったことしかできない騎士は最弱の騎士になってしまう。でも逆に言えば、学級でやることが最低限な代わりに自由時間は多い。なりたい騎士になるための必要な努力を好きなだけできるはずだ。」

「さて、リリア。」

「はい!」

「ん、いい返事だ。ここが今日からお前の部屋になる。ちょいと狭いけどな。」

「狭い…ですか?」

「そうか、一人用の部屋ってのも初めてか。一人用でこれは狭い方だぞ。」

「そう…なんですね…。」

「まあでも寝心地の良さは保証するよ。」

「騎士団の暮らしは贅沢ってほどじゃないがまあそれなりに快適だ。しかも金はいらない。なぜなら代わりに強くなってイルフィアを守ってるからだ。」

「はい!」

「私の役割はお前を強くしてやること。そうやって強い奴が増えればイルフィアはもっと良くなる。」

「例えば……食い物の一部は悪魔に襲われるリスクを負ってセーフゾーンの外から取ってきてる。強い奴が増えればそのリスクを踏み倒せるわけだ。」

「強くなるのは大変だ。結構しんどい訓練をほぼ毎日やる。」

「訓練用結晶は貰ったな?」

「はい!」

「……。もう少し肩の力抜いていいぞ?」