「あ、お前…フューズ!」
「レイズ…ミレティクスか…!?」
嫌な予感が的中した瞬間だった。
「なぜここに…!」
「お前こそ自分とこの本丸でなんでこんな大怪我!」
イルフィアに攻め込んだレイズは、フューズとの再戦を確実視していた。自分がいると分かれば間違いなく現れる。フューズはそういう男だと分かっていた。
だがついにフューズは現れなかった。
今の今までこの地下施設にいたのである。
どういうわけか、傷だらけで。
「訓練にしちゃやりすぎだろ。何があったんだよ。」
よく見れば辺り一面に乾いていない血溜まりがいくつもできていた。それがフューズのものであることは想像に難くない。
フューズをここまで痛めつけた者は、まだ近くにいる。
「飽きちゃったー。もっとおもしろいセンセイはないの?」